ロゴスと呼ばれるのは良いけど、エトスは何か嫌です

ご近所のR大での生態学セミナーに行ってきました。こちらのセミナーよりも面白いかもしれないです。開始時間を間違えて前半聞けなかったのが残念。会食後の雑談でKNDさん曰く「古代ギリシアの哲学者の言葉で、人の重要な3つの要素としてロゴス(論理)、エトス(倫理)、パトス(情熱)があって、それは研究にも当てはまる。だとすると、ロゴスとエトスは指導できるけど、パトスだけは教育じゃどうしようもない。とかなんとか」。久しぶりに深い言葉を拝聴しました。その通りですね。


今月の炭火倶楽部では演者にユスリカの人。多様性の高い水生昆虫であるユスリカを博物学的な視点で地道に研究されていて話も面白い。自分は群集とか食物網に興味があるのだけれど、それよりも自然史研究の話を聞くほうが楽しいときがけっこうある(演者ディペンドだけど)。そういう人はたいていパトスに満ち溢れていると感じる。パトスは教育できない、パトスは初めから持つものだとしたら、面白い話を出来る人は年齢や経験、業績に関係ないのではないかと思う。ユスリカの人は経験があるのだけど、こないだの生態学会で千葉の某大学のM院生が東京湾ヨコエビの分類本を作っていて、面白い話をたくさん聞かせてくれた。パトスに満ち溢れている感じ。就職するというのが残念でした。


センターにも水生昆虫をやっているパトスに満ち溢れた人がいて、彼女はあまりのパトスにアメリカに旅立った。色んなあだ名を付けられていたようだけれど、今後ぼくは彼女をパトスと呼ぶことにしようと思う。我ながらけっこう良いあだ名じゃないかと思う。


GCOE本を少しずつ書き始める。1500文字で、締め切りは年末で、発表済みの研究を紹介すれば良いらしいので、精神的にはかなり良いです。家で少しずつ書いて来週くらいには初稿を完成させたい。一番のネックは「琵琶湖に関係あるように書いて」というOボスの後付けの条件。それじゃNKNさんも食いつきますよ。


先月に水域でPPMRの話をして、それでOBさんからデータを活用できないかと相談を受けまして、PPMR論文IIIが始まりそうです。魚類のような丸飲み戦略ではなく(PPMR=100ぐらい)、捕獲捕食をする生き物のPPMR(PPMRが1に近いが1以下)を見る予定です。サンプル数とマスが実測ではなく推定なのが気になりますが、形にはなると思います。


それと、せるこんでARKさんが遺伝解析の手法紹介をしていたので、以前から気になっていた(諦めていた)ホルマリン標本の遺伝解析についてダメ元で相談したら、なんと多少の面倒な手間がかかるけど分析可能かもしれないということで、KWKTさんのアシストもあり、これも始まりそうです。まずはOボスにサンプル使用の許可と、SKI君経由で生サンプルを手に入れようと企んでいます。40年間の遺伝的多様性の変動、その間にボトルネックも経験していて、何か面白いことが見れるんじゃないかと(問題は未設定ですが)。今年度中にデータが取れたら嬉しいです。イサザを使った実証研究の4部作目になります(形態、同位体、胃内容、そして遺伝解析)。もう実証も出来るって言っていいですか。外に出るまでは言っちゃダメですか。


ジョグ
金曜12㌔、日曜10㌔