レースと温泉と協力と

久御山10キロ。コースが狭く走りにくく、自分のペース出せず。何とかキロ4分半。



その後、新しくできた京都上方温泉一休へ。泉質と温度も好きだが、人の多さと値段が難点。マイナスイオン効果とかも余計。ただ宇治周辺に日帰り入浴できる温泉はほとんどないので、あの場所は良いと思う。福士選手が25キロ付近で独走しているのをすごいなぁと思って応援していたら、サウナでのぼせた。


協力関係のレビュー2本読んだ、ざっと適当に。
まずPunish or perish? Retaliation and collaboration among humans
Sigmund TREE 2007
人間の協力行動について、進化生態学的な研究は多くある。この論文は、社会科学、心理学、経済学、人類学など他分野の視点でどのような研究が行われているのかを進化生態学者向けに紹介している感じ。基本的に罰の機能に着目。理論としての新しさは見当たらないが、人間を使った興味深い実験が幾つか紹介されている。特に、これまでの進化生態学で構築されてきた協力理論が、必ずしも実験結果をうまく説明できない場合があることを指摘。これは、進化生態学が協力の究極要因を見ているのに対して、他の分野では至近要因を見ているから。協力する・裏切りたくないという「動機(恐怖や恥、高揚感など含め)」が人間には特性として備わっていて必ずしも利己的には振舞わない。しかし、その背景にはやはり何らかの進化的歴史があるらしい。


次にThe tragedy of the commons in evolutionary biology
Rankin, Bargum & Kokko TREE 2007
よく聞く「共有地の悲劇」。その定義や分類、それぞれの実証例などをレビュー。これも理論としては新しいものは何も無いが、実際に生物の事例をリストアップして、その中身を紹介しているのが良い。分類方法としては、①オリジナルの資源枯渇を招く悲劇、②協力投資を達成できない悲劇(資源を共有しているわけではない)、③競争投資しすぎてしまう悲劇(eg植物の光競争やバイオフィルムの酸素競争)。また新しい視点として、共有する資源が明確に存在する場合、それが完全に枯渇するか否かに依存して「collapsing tragedy]と「component tragedy」に分類(何のために?)。加えて、悲劇の解消メカニズムの紹介。血縁選択、強制や罰、個体群ダイナミクスと絡めたフィードバックなど。悲劇を解消しないと進化的自殺。人間も気をつけよう、とかなんとか。