さすが一児の父

昨日のAPIセミナー
KGTさんによる虫糞学のレビュー。不要な糞を昆虫がいかに活用しているいのか、群集や生態系に影響を与えているいるのか。リサイクルの話はモデルであったような気がする。


葉っぱを食べて地上に落ちた糞が植物に良い影響と悪い栄養を与える虫がいる。と言うことを話すと、「植物が虫を選ぶのですか」とよく聞かれるらしい。KGTさんは「そういうことはなさそう。あったらネーチャー」とおっしゃっていたが、それほど無くもないような気がする。選ぶという表現は積極的なニュアンスがあって、自然選択の考え方に合わないだけのような。


ある植物がある虫に食われているとする。その虫の糞は植物にとってあまり質が良くないとする。食害を減らすことだけを考えれば、その植物はその虫に食われないような形質を持つようになる。でも、その適応過程は突然変異に委ねられていてランダムであるはずである。なかには、その虫に食われやすい形質を持つ突然変異もであるはずだし、それが別の虫(たとえば質の良い糞をする虫)に食われやすくなる形質を持つこともあるかもしれない。植物にとっては、どちらに食われたほうがマシかということになる。それなら、質の良い糞をする虫に食われたほうがマシなはず。


生き物は最適に振る舞うはずだから、そういう考えはおかしいと思う人もいるかもしれない。でも、進化はそんな全能なプロセスではないはずだ。生き物はフィットネスランドスケープのグローバルなピークにいるわけではなく、今いる場所から少しずつ標高の高い場所を目指して、でも結局は局所的なピークで行き詰ることもある(たくさんの局所ピークがあって、それが生物多様性を意味しているのだ)。そんなこんなで、食害を許す虫を植物が選ぶこともありそうな気がする。質の良い糞をする虫に葉っぱを食われてしまえば、質の悪い虫に食われることもなくなる。この種間競争も形質分化を促進するような気がする。そんな妄想。


AER論文
Uしにデータを渡して非常に高度な統計解析をしてもらったら、あっさりと(?)解析論文を再現できた。


同位体国際シンポ
フラッシュトークとポスターの原稿ができた。


ジョグ
火曜9㌔