同位体論文

Zにフィードバック。


漁獲レビュー論文
ZとYMUCさんとの共著。コメントが返却。一人のレフリーはモデルパートは不要と言い、もう一人はillustratingとむしろ高評価。おそらく、前者はモデルに馴染みのない人だと思う。モデルは不要と言っているからではなく、モデル以外の部分に対するコメントが非常に多く、その分野を専門にしている人という印象。自分が苦手とするタイプのレフリー。

敢えて辛口で言えば、モデルのスタンスを理解していない(誤解している)にもかかわらず、モデルの数式や結果は理解できるものだから、「予測が現実に合わない」、「モデルには重要な要因が欠けている」、「なぜそのパラメータセットなのか」、「もっと網羅的なパラメータセットでシミュレーションするべき」と言った的外れなコメントをする。これらは主に、モデルは現実を再現すべきという考えに捉われているためです。あとは、基本的な系の挙動を理解していない場合もあるでしょう。もちろん、原稿の書き方が悪かったという場合もあります。でも、どんなふうに書いても納得しない人がいるというのも真実だと思います。


先日、モデル論文のコメントをある方に依頼して。その人は実証の人で「モデルは良く分からないけど」と前置きしながらも、非常に的を得たコメントをくれました。モデルの数式は完全には理解してなかったのかもしれませんが、きっとモデル研究のスタンスは理解しているのだと思います。それって、モデル以外の人にはとても大事なことだと思います。そうでないと、フルシミュレーションで再現するだけの個体ベースモデルのような理論論文からしか知識を得ることが出来なってしまいます。「モデル研究のスタンスって何?」と思うかもしれませんが、基本的に実験研究のそれと同じです。複雑な生態系から注目する系だけを抜き取って培養する。それは現実を再現するものではないけれど、現実を理解するための潜在的に重要な要因を解明することが出来ます。種が違う系でも、時には魚とか虫とか鳥とか関係なく、行動や生活史などの基本的な性質が同じであれば(例えば餌を食べて増えて一定の割合で死亡する、とか)、共通する重要なことが言えるでしょう。そういうふうに考えると、上のレフリーコメントがアホっぽく見えてきませんか?でも、そういうレフリーを説得しなければいけないわけで、そのような原稿・レスポンスレターの書き方を会得したい。