休眠卵論文

勢いよく投稿。レフリー運なるものがあるというZを信じて、高めのジャーナルに出してみた。


今はレジームシフトという本を読んでいる。編者の川崎さんはレジームシフトという概念を世界で始めて提唱した水産学者らしいです。やっぱり水産と生態はなんかズレがあるなぁという印象。水産の人の言うことが間違っているというわけではなく、用語の使い方が違うせいだと思う。例えば、この本では「レジーム・シフトとは、大洋−海洋−海洋生態系から構成される地球システムの基本構造が、全休規模で、数十年の時間スケールで、転換することをいう」と最初のほうで定義している。この場合、レジームシフトは「大きな環境変化」にともなう系状態の大きな変化という印象である。生態学ではむしろ、「小さな環境変化」にともなう系状態の大きな(そして短時間の)変化という印象である。くわえて、水産学のレジームシフトでは、マイワシで見られるような資源量の大きな変動は大きな環境変動を反映していると考えているように思われる。ここではヒステリシスの考えが無いという点で生態学のレジームシフトの定義とはだいぶ異なる。系状態が大きく変化するという現象では同じことを言っているのだけれど、そのメカニズムは全く別の現象を見ている気がする。ASSの考えは今のところ出てきていない。また、所々で生態学の知見も示しているのだが、間違っていたり、特殊な事例を生態学一般的な事例として紹介している点が面白い。たとえば、捕食−被食サイクルでは半周期のズレが生じるとか、サインカーブで表わされるとか、predator-prey eddyと呼ばれるとか(初めて知りました)。水産資源が回復しないことに関しては、最近に読んだアリー効果の本では、捕食由来のアリー効果(被食者の数が多いほど食べられにくいので個体当たりの適応度が増加する)が仮説として提示されていましたが(デ・ルースとかパーソンとかのです)、そういう相互作用の視点も水産の話にはあまり出てきませんね。外洋ではそういった情報を得るのが難しいという側面もあるのかもしれません。


面白い話はそんなにありません。


ジョグ8㌔
2ヵ月後と思っていたレースは実は1ヵ月後だった。やばす。