レビュー

Toward An Integration Of Landscape And Food Web Ecology: The Dynamics Of Spatially Subsidized Food Webs
Polis et al 1997 Annu Rev Ecol Syst
物質や生物の移動による生息地カップリングの代表的なレビュー。栄養塩とデトリタス・被食者・捕食者の移動の直接的・間接的効果の事例を非常に豊富に紹介しています。以前にも読んだような気もしますが、改めてざっと目を通しました。ニッチシフトに伴う生息地リンクの事例紹介も多く、原稿を書く際には役立ちそうです。


Pacific Salmon in Aquatic and Terrestrial Ecosystems
Gende et al 2002 BioScience
レビュー。毎年遡上するサケのバイオマスは膨大で、それは繁殖・死亡の後に、上流の渓畔林周辺の生態系に大きな影響を与える。主に、死骸の分解・リサイクルによる栄養塩の運搬と、捕食者への直接的なエネルギーの供給がある。捕食者としてはクマが有名ですが、実際にクマへの寄与も大きい。また、サケの死骸に湧く蛆虫?のようなものは、鳥類の重要な餌になっている。また、死骸は水生昆虫にも利用され、それが高次栄養段階の生物の餌にもなる。


Cultivation/depensation effects on juvenile survival and recruitment: implications for the theory of fishing
Walter & Kiutchell 2001 Can J Fish Aqua Sci
レビューと概念モデルの紹介。cultivation効果とは、成魚が、稚魚の捕食者や競争者を食べることで、稚魚にとって有利な生育環境を作ること。それによって、成魚への加入が促進される。depensation効果とは、成魚が減少したときに、稚魚の捕食者や競争者が増えて、成魚への生残・成長がが抑制されること。また、その結果、成魚の個体数がなかなか回復しない。このような正のフィードバックによって、ASSが生じる。これは、個体群がなかなか回復しないという現象を説明しますが、他のメカニズムもあります。例えば、成魚が減少すると、大型の動プラが増加して、その餌である小型の動プラが減少する。その結果、稚魚の成長・生残が抑制されるという正のフィードバック。


一見関係なさそうなテーマですが、繋がりが分かりますか。秘密です。
そろそろストイキが再開しそうです。