講義

航海調査のためにいないZに変わり(Zが行ってやることがあるのだろうか)、Advanced Theoretical Ecologyの講義。局所安定性解析の説明と演習。全然advancedじゃないけど。固有値あたりの説明には苦労した。たぶん、完全には理解してもらってない。でも、彼らは理論を専門にするわけでもないし、原理を表面的にだけでも理解して、必要であれば平自分でも安定性解析をできると思ってもらえれば、それでも構わないと思っている。むしろ、これは方法論であり、本質的なものは、対象とする生態学的現象を数式で記述するというモデリングの過程なんだと、かなり強調した。本来なら、次の講義では自分の研究でも話すつもりだったが、勢い余って、次はモデリングでもしようかと言ってしまった。いいのでろうか。でも、モデリングは自分にとっては一番楽しい過程なので、そこから理論生態に興味を持ってくれたら嬉しいという淡い期待もある。説明の後の演習では、シンプルな消費者−資源モデルで、何もいない・資源だけいる・資源と消費者の共存の平衡点の安定性を手計算させた。一人だけ全部できた。計算自体は、与えたマニュアルに沿ってできるっぽい。でも、出てきた式に基づいて、「貧栄養では消費者が絶滅して、富栄養では消費者が生存できる。何もいない状態には植物が侵入できるから常に不安定でしょ」って解の生態学的な意味を説明すると初めて、数学的な解析の力を納得してくれた気がする。


休眠卵論文。再計算終了。結果の図が前とは違うので、多少の議論の変更が必要にある。来週中には改訂を終えた。かなり従順に直したのでレスポンスレターは簡単に書けそう。