夏休みの宿題をしている気分

共著論文の改訂を抱えている。主著者は実験屋さんで、たぶん今回初めて理論論文の執筆に挑戦している。一番気になったのは話の構成である。
・Xという現象が見られる。
・これは要因Yで説明できるかもしれない。
・要因Yを入れたモデルを作ったら、現象Xが見られた。
・だから現象Xが見られるのは要因Yの効果である。
という流れになっている。違和感があるのは、この書き方だと現象Xの原因を説明することが目的として強調されているから、それなら実験的に観察してみないと本当のことはわからないし、他の要因も重要かもしれないという疑問が湧くからである。僕が考える構成はこんな感じです。
・要因Yがよくある。
・その効果は不明であるが、現象Xを起こすかもしれない。
・要因Yを入れたモデルを作ったら、現象Xが見られた
・見られている現象Xは要因Yで説明できるかもしれない。
ほとんど同じじゃないかと感じるかもしれません。でも、前者は現象Xの原因を特定することを主目的としていて、後者は要因Yの効果を調べることを主目的としています。そして後者の場合「要因Yがあったら」という前提で何が起こるのかを予測していて、実際に要因Yが現象Xの主な原因かは断定せずに議論するにとどめています。
現場の人が直観的な仮説を信じることも何となく理解できます。ただそれを理論論文でやると、想像力豊かな理論屋の人にけちょんけちょんにされてしまう恐れがあります。こういうのは実験屋と理論屋とのスタンスや習慣の違いかもしれません。僕自身も実験論文の書き方がまだ全然わかりません。もしかしたら、賢い人はそんな違いなんか意識せずに巧いロジックを作ることができるのかもしれないけれど。
モデルパートも自分が手直ししたほうが早いと思いますが、今は時間が無いです。9月下旬ぐらいには時間がとれるでしょうか。


今は胃内容論文を改訂中です。ちょっと精神的に参ってます。こんなんで学生の指導ができるようになるのだろうか。実験論文って難しい。統計的結果の解釈とか議論の仕方とか。そんなん簡単でしょっていう人もいるでしょうけど、理論論文では基本的に誤差なんて出てこないのですよ。


スライドも準備しないと。


ジョグ
水曜10㌔、金曜10㌔