レビュー

Intraguild Predation, Invertebrate Predators, and Trophic Cascades in Lake Food Webs
Hart 2002 JTB
植プラ−動プラ−魚といった水域食物網におけるカスケード効果について、理論的予測と観測データに矛盾が幾つかあり、それを解消するために動プラを食う二次消費者(コペや水生昆虫等)を入れたモデル。ここでは、食物チェーンの中間にIGPが出現し、これまでよりも多様なパターンを予測できるという話。なんでこれを読んだかというと、最近出たIGPの理論論文(Amarasekare 2008 Ecology)で、baal preyの捕食者特異的な防衛の例として引用されていたから。Hart(2002)によると、魚が多いと、動プラは食われないように小型化するがコペ(IGprey)に食われやすくなる結果、IGPが維持される。逆に、魚が少ないと、動プラはコペに食われないように大型化するため、食物網は直列になる。で、カスケード効果が変わる。これ自体は面白いのだけれど、動プラの反応は(少なくともこの説明では)捕食者特異的防御ではなく、Amarasekareの引用は間違っている。ちなみに、Amarasekareは、捕食者内の密度効果やIGpredatorが出現するフェノロジーを考えていて、Kさんの系に関係あるかもしれないけど、ないかもしれない。深くは読んでないです。


ジョグ10㌔