セミナーと

IBM輪読。具体的なモデルと抽象的なモデルの良し悪しについての哲学的な議論が、各章に散りばめられており(概ね、抽象的なモデルはダメという論調で)、それがこの本を詰まらなくしている、ということをMさんのコメントで理解した。つまり、紹介されているモデルは、とても再現性は高いのだけど、本来のモデルの目的が紹介されていない。具体的なモデルが良いか、抽象的なモデルが良いかは目的に依存する。それなのに、抽象的なモデルを具体的にするという目的は、全く理解できない。最初の章で、目的のないモデルは意味がないと書いているのに。
それと、具体的なモデルの目的は何なのだろう、という疑問もあった。動物の振る舞いをただシミュレートして、単なるゲームと何が違うのだろうと思っていた。オリジナルの研究では、主にマネージメントの具体的な事例としてモデルがあるらしい。なるほど、よく考えればそれしか使い道はないはずだ。そのような目的があるならば、モデルの価値も理解できる。しかし、そのような具体的な目的も説明せずに、抽象的なモデルではダメだから、という的外れの目的を与えるから、モヤモヤしてしていたのだろう。