EVOLUTIONARY GAME















Momentous sprint at the 2156 Olympics?
Tatem et al (2004) Nature 431:525
オリンピックの100m走、女子の優勝記録の伸びが男子のそれを上回り、2156年の大会では女子が男子よりも早くなる。"only time will tell whether in the 66th Olympiad the fastest human on the planet will be female"って、そんなこと起こるわけない。


Linear models can't keep up with sport gender gap
Reinboud (2004) Nature 432:147
次の号で早速コメントが付いた。Nature誌上で議論するまでもなく、当然。でも、"When statistics, nevertheless,point to linear development, there must be something wrong."
somethingってなに?





で、気になってマラソン記録で見てみた。男子と(福岡国際、びわ湖毎日、別府大分毎日)と女子(東京国際、大阪国際、名古屋国際)の国内主要レースで。この図で見ると、約50年で女子マラソンは男子マラソンの記録を上回りそう。100m走よりも早く実現するのか。











でも、時間スケールを大きくしてみると。初期のころは男子の記録の伸びは大きくて、最近は漸近しているのが分かる。つまり、女子の記録更新もいつまでも続かないということだ。「リニアで近似したら何かがおかしい」って、リニアで近似するのがおかしい。























ついでに、野球もみてみると。打率と防御率のトップ6の平均の年変動。面白いことに、ここでは陸上競技とは違って前進的な記録の向上が見られない(むしろ防御率は上がっている)。きっと打者と投手が共進化していて、赤の女王みたいになっているのだろう(守備や道具も進歩しただろう)。


学部生をそそのかして行動生態学の授業でこんなことを話させてみる。
そんなことを考えた週末。もうすぐ北京オリンピック