ホルマリン効果、恐るべし

DNA実験
全然読めてなくて泣きそう。生サンプルは読めてるので、テクニックに問題があるわけではなく、7月の実験の見込みが立って、それだけは安心。同位体のときもそうだけど、標本資料の保存方法を考え直す時期に来ていると思う。


GCOE本
改訂して提出した。あとは出版社から校閲の指示待ち。


胃内容論文
リジェクト来ました(涙)。コメントを見るに、長期的な実証データは評価されたけど、コンセプトの新規性を指摘された。予想通りだけ。他にもいくつか指摘された問題は有ったけど、それらはどれも対応可能だったり、査読者の統計力にも問題があったりで。とりあえず、次の投稿へ向けての改訂は最小限で済みそう。運が悪かった、と共著者で同意。でも、表現の技術がまだまだ足りてないのだと思う。


7月のASLOにポスター申し込んだ。PPMRの話で。その1週間前に帰国して、センターでDNA実験をする予定。車を持っている人に極楽湯や水春や古琵琶湖に連れて行ってもらう予定。


某宴の会場を探した。人数と場所と開始時間と慶事の二次会という条件を考えるとお店が限られてしまう。会計の便宜上、定額の飲み放題したいけど、あまり美味しくないお酒や食事を大量に、というわけにはいかず。でも、遠方から来る人も多いし、一次会もちょっと高めだし、あまり会費を高くするわけにもいかず。お店の人と交渉して、7000円でおばんざいと肴の盛り合わせ、飲み放題は獺際や徳次郎、裏メニューまで入れてもらいました。ちょっと高いと思う人がいるかもしれないけど、これくらいで良いでしょうか。後は当日参加の対応と会場案内、議事進行をどうしようか考えなくては。そろそろ誰かにお手伝いをお願いしよう。


引越しの日程を決ねた。3月24日は大安の週末で、その日に引越しをしたい人が多いらしく料金が高い。ので、23日(金)の午前に搬出することに。23日の午後は生態研セミナースペシャルがあると思うので、それに出る。24日は掃除して、残り物を東京に実家に送って、25日に退去。26−27日は琵琶湖で調査。28日に東名を走って、29−30日で引越し荷物の搬入と転出手続きなど。車は実家に保管してもらう方向で検討中。31日は休んで、4月1日に渡台予定。桜はぎり見られそう。


台湾での第二PCとしてノートを注文した。今の手持ちより高性能でもけっこう安い。キングソフトというマイクロソフト類似のオフィスが2000円程度であって、互換性も良いらしく魅力的。使い勝手は多少の不安がありますが、第二PCとしては評判は良いらしい。大学で使う第一PCは、今家にある第二PCを持っていく。ノートだけど、センターにある第一PCより高性能だし問題なし。モニターは向こうで買って、日本語キーボードはこちらから持っていく。


科研費が底をついた。


オランダのHS氏から博物館標本の活用術、の原稿が送られてきた。イサザのDNA実験がうまくいってないから。原稿にはホルマリン標本のDNA実験が難しいことが書いてある(知っていましたさ)。これは励ましか、そんなことも知らないのかと上から目線で教えてくれたのか、それともスイスで寂しかったからか。

HS氏とは学部4回生のときにKT研で同期でしたが、以降の交流は実はあまりなく、一方的に彼の人気ぶりにいつも嫉妬しておりました。自分が卒論でイサザのホルマリン標本をやることになったのは、偉大なるKTさんの提示をカタツムリラブのHS氏が断固拒否したためで、そのテーマが劣等生である自分に回ってきたわけで、もちろん自分にはそれを拒否するなんて選択肢はありませんでした(多少盛っています)。修士ではHS氏はフィールドへ行き、対照的に自分は数理モデルを始めました。理学部動物生態の同回生は二人もKT研に入ってきたのに、KT研の二人は外に出て行った、という今思えば勇気ある行動の共通点に勝手に親近感を感じていました。それと、HS氏は昨年進化学会の奨励賞を受賞し、自分は数理生物学会の奨励賞を貰ったという境遇も似ているかもしれません(来年はともに海外学振だし)。でも、HS氏のほうが研究は面白くて信念もあっていつもリードされております。自分が数理モデルを始めたのはモデルが好きだからなのですが、もう少し正確に言うと、生態学の現象をモデルで解釈できたときの爽快感が好きなのだと思います。ですが、そのような経験はまだ殆どなく、モデル予測を簡単に出しても実証データは無いというのがよくある状況です。それで、標本資料で時系列データを見ることができれば、モデルでダイナミクスを予測することと相性が良さそうということに気がついて、生物標本に興味を持ち始めたのですが、HS氏もまたフィールド側から生物標本に関心を持ったようです。それがあの有名な左利きのヘビです。またもや奇妙な共通点を見出してしてしまいましたが、やはりHS氏はいつも先を行っていて、4回生の頃の劣等生気分を感じております。だから、HS氏は変態紳士と暴露して平静を保ちたいと思います。周知の事実ですが。


先日のNOE君公聴会で本学に行ったとき、2号館前でKTさんに遭遇した。来年度の報告をして、イサザの実験の話をした。そしたら、琵琶湖は放射能大丈夫?と凄い勢いで聞いてきた。東日本よりは大丈夫だと思うけど、実情は知らない。KTさんは数理モデルとか難しい実験は好きではなく、フィールド観察を善しとする人で、でもそんなKTさんに数理モデルで認めてもらいたいと思っている。それで、なんか出来ないかなと考えている時、以前に保全群集生態学というものを思いついてしまった。保全生態は全然フォローしていないけど、特定の種の保全を考える個体群生態学生物多様性というものを考えるマクロ生態学が主流のような印象があるから、多種系での生態学プロセスをちゃんと考えた群集生態学をもっと活用できるではないかと思った次第です。そんな数理モデルなら何かできそう。多分、もうやられているだろうけど。